魔法がなくても
私が髪につけているバレッタを見るなり、また走り出そうとする乃蒼。
だけどやって来た四によって止められた。
「走んなっての。大人しく飯を食え」
「四!そんなことしてる場合じゃないの!ぽくはへんにゅー生を今すぐに負かすんだぁ!」
首根っこをつかまれ、地に足がついてない乃蒼は空中でジタバタと走る。
「負かすって一方的になるでしょう。彼は魔法が安定したないんですから」
私の隣へと座るシエル。
すかさず逆側には乃蒼がやってきた。
「……いつの間に。つか、一ヶ月以上経ってもって、理事長のミスとかじゃないのか?」
桜の隣に頬杖をして座る四に、うーんとうなりながらも乃蒼は頷く。
「かもねー。でも理事長が間違うなんてこと──」
「ワガハイの話かにゃ」
うわっ!?と私とシエル以外の三人から悲鳴が上がる。
まあ、天井から来てテーブルの真ん中で猫になられたらびっくりもする。
「おいしそうだにゃー……じゃない。おっほん。ワガハイの目にくるいはありませんー。──あの子は何か持ってるのにゃ」