魔法がなくても
「それは私が開けられないように魔法をかけてるせい。理事長とか……四たちくらいかな。解除して入れるのは。気になるなら入ってみる?」
「え、いいの!?」
一瞬にして目をかがやかせた宙くんを連れて、私は学園につながる自室へと招いた。
「わぁ……!!」
普通の教室一つ分の広さの部屋に、大きめなベッドと本棚。
それにクロゼットと机くらいしかないガランとした空間を見て、宙くんはきょろきょろと楽しそう。
「ひっろいなぁ……もっとこじんまりしてるかと。……でも学園のどこにあるの?」
「普段はどこにも。皆が帰った後に理事長が学園の内部を変える魔法で教室を切り替えて、部屋に変化する……って感じなの」
「あの猫さん理事長、すごいんだね。……本棚とかの本もすごいけど、これは全部買ったの?」
本棚のすきまがないほど埋めつくされた本をなぞって、宙くんは私にたずねてきた。
その問いに机に出しっぱなしだった物を片付けながら横目に答えることに。