魔法がなくても


「ゆずってもらったり。魔法で複製した本ばかり。買ったものもあるけどね」

「これだけの量……俺だったら何年かかるか」

「何か読みたいのあればいつでも貸すよ?後々、宙くんも目を通さなきゃいけない本もあるだろうしね……って」


机がきれいになったことだし、と私も本棚の方へと行こうとして顔を上げた時、とあることに気づき目をこらした。


「ん、星羅?俺になにかついてる?」

「ついてはいないけど……」


確か、じゃなくて絶対。

普段、宙くんの瞳は青緑色。
毎日見てるんだから忘れることはない。

なのに……今の宙くんの瞳は赤紫色に変わっている。


「宙くん……どうして、目の色が変わってるの?」

「え?ああ、本当だ」


歩み寄って宙くんの目を確認しつつ指摘すれば、鏡のほうへチェックしにいった宙くんの様子からはじめてではないのだとわかった。


「なんか夜……なのかな、たまにこうして変わるんだ。これ、理事長にも言ってあって学園で視力見てもらったけど何も問題はないらしんだよね。不明ってだけ言われて」
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