魔法がなくても
似たような顔を以前にもされたことがある。
まさかこれはまた……。
すぐに店を出ようとする二人に私は新作の商品を手に取りながら声をかけた。
「少し、いい?」
「っ」
二人を見ずに声をかければ、おそるおそるこちらを向いたことを横目に確認する。
「どうやらこりずに編入生を追いかけてるみたいだけど……宙くんを追いかけ回している生徒全員集めてくれる?ひとりも余すことなく」
「え、えっと」
「それとひとつ言っておくけど、ランクやクラス、顔に名前……全部知ってるから。……そこのとこよろしくね」
にこりとふくみのある笑顔を向けてやれば、
「は、はひぃ……!!」
顔を引きつらせ出て行った。
……まだ追い回されてたなんて。
もっと魔法付け加えた方がいいかな。
「っとその前に。……宙くん。もういいと思うけど?」
おーさんしかいないレジカウンターに向かって声を投げると、ひょっこりあせをにじませる宙くんが顔を出した。