魔法がなくても


「では、宙。僕が本を持ってきますから、その中でキミが分かりやすそうなものを選んでみてください」

「分かった、ありがとう」

「俺らはテキトーに本読んでっから終わったら言えよ」

「わかりました」


いつもとは違う、自分たちしかいない図書室で宙くん以外は各々本を選び始めた。

話す声の大きさに気をつかわずいられるためか、乃蒼や四の声が遠めの棚にいても聞こえてくる。

私はアロマの本を手に壁へ背中をつけてそのまま読み始めた。


「……あっおい!乃蒼!」

「へへーんっ」


……今度は走り始めてる。
これもまた注意されることないから出来ること。
本来なら走った時点で、図書室の管理者である先生に図書室の外へと強制移動させられてるところ。
けど先生たちも例外なく休みだから、何かしらの問題が起きない限りは学園には来ない。
理事長はいるけど……きっと寝転がって過ごしているんだろうな。
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