魔法がなくても



✧



長期休み、とはいえど学園への出入りは自由。

常に理事長がいることで安全は保たれているからだ。
ただ、私服なところがいつもとちがって新鮮。


「すご……こんなに静かなんて。出入りは自由なのに、ほとんど誰もいないんだね。俺たちだけかな?」

「さあな、遊びたいだろうし。研究とか以外で学園に来たがる奴なんてそんないねぇだろ」

「四がいることがすでにそのわくの人ですよね」

「なんか言ったかシエル」

「四が──んぐっ」


もう一度同じことを言おうとしたところでシエルの口を宙くんは手でおさえあわてて止めた。

それを見た乃蒼は声を出して笑っている。

私たちしかいない廊下はやけに声がひびいて、桜と私は顔を見合わせて苦笑い。


シエルが宙くんに向いていそうな本がいくつかあると、それを借りるために遊びもかねながら皆で図書室へとやって来た。
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