冷徹生徒会長が私に甘くなるまで

『あの医師は患者の病気を見落とした』 『不真面目で信用できない』


ネット上に流された嘘の書き込みは、あっという間に広まり、パパの長年の実績や誠実さを踏みにじった。 事実はすぐに解明されてパパの潔白は証明されたけれど、一度ついた噂の尾ヒレはなかなか消えず、パパは苦渋の決断で前の病院を辞め、この街で小さなクリニックを開業し直すことになったのだ。


だからパパは、自分の事情のせいで学期途中に転校することになった私に、ずっと申し訳なさを感じている。


「新しい学校ね、すごく綺麗な校舎だったよ! クラスのみんなも、ちょっと緊張してたみたいだけど……私、ちゃんと笑顔で挨拶してきた!」


私は両手を腰に当てて、胸を張ってみせた。 生徒会長の月城蒼汰くんに「当校の品格にそぐわない」なんて言われたことや、クラスで噂話のヒソヒソ声が聞こえたことは、口にしない。心配させたくないからじゃない。私自身が、そんなものに負けるつもりがないからだ。


「そうか……。ひまり、本当にごめんね。パパのせいで嫌な思いをさせていないかい? 転校先の学校でも、もし何かあったら――」


「パパ!」


私はパパの言葉を遮るように、キュッと眉を寄せてパパの手に自分の手を重ねた。


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