冷徹生徒会長が私に甘くなるまで
(わぁ、メイクとか髪型アドバイスしたくなっちゃうな……!)


そんな私の心の声を察してか、結衣ちゃんは頬を少し赤くして、恥ずかしそうに下を向いた。


「朝比奈さんって……噂で聞いてたのと、全然違う……」

「え? 噂?」


「あ……ご、ごめんなさい! その、みんな『前の学校で問題を起こした派手な子』とか言ってて……。でも、すごく優しくて、太陽みたいな人なんだなって……」


消え入りそうな声だったけれど、結衣ちゃんは一生懸命言葉を選んで届けてくれた。 胸の奥が、じんわりと温かくなる。

(よかった……! ちゃんと私のこと、見てくれる人がいる)



「ありがとう、結衣ちゃん! 私ね、派手なおしゃれもコスメも大好きだけど、ルールを破ったり人に迷惑をかけたりするのは大嫌いなの。だから、噂の私は全部デタラメだよ!」


「うん……! 朝比奈さんの笑顔見たら、嘘だってわかるよ」


結衣ちゃんが、眼鏡の奥で初めて小さく微笑んでくれた。転校してきて、初めてできた友達。胸がキュンと跳ね上がるほどうれしい。
だけど――その和やかな空気を破るように、教室の後ろの席から心ない噂話が聞こえてきた。


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