【続編】ふたりの恋のそだてかた。
虚ろに爽真を見上げれば、少し濡れた唇が艶っぽい。
まだ吐息に熱を残す割りに、その表情は見慣れた不機嫌顔だった。
「……。今やばいから、あんま無防備な顔しないで」
「え?」
目の毒を隠すかのように、私の頬に沿わせていた手を後頭部に回して自分の方に寄せさせる。
(や、やばいとは……)
肩に頬をくっつけながらいつもより熱い気がする体温に、まだドキドキが収まらない。
いつのまにか緩んでいた私の手元には、しっかり皺になった爽真のTシャツ。
濃く香る石鹸の匂いは、やっぱり今日も甘かった。
なんとなくの力で抱きしめられて、数分。
困って疲れたようなため息が落ちてきて、ポンと頭を撫でられた。
「……そろそろ夕飯にする?」
「…………うん。そうする……」
一段の進展。感覚的には、数段飛ばし。
甘い香りが夕飯の匂いに変わるまで、胸の鼓動は収まらなかった。