【続編】ふたりの恋のそだてかた。
「大人しい女の子の役なのかな?目の奥の気の強さは、演出と本体どっちなのかねぇ」
スマホをサッと自分の方に戻して、御伽蘭子はまたスマホをスライドする。
「はぁ、そいえば相手役、成宮紫苑くんなんだぁ。
お利口さん同士、演技相性よさげだねぇ」
スッと冷える感情。
御伽蘭子はまだ多分紫苑が写っているスマホに釘付けで、そんな俺に気づかない。
「しかも原作が文学の作品かあ。これは綺麗なのできるだろうねぇ〜。綺麗すぎてちょっとつまらないくらい――……」
とろんとした鳶色の目が、ちらとこっちを見る。
「どしたの?瀬名くん。怖い顔〜」
言われて目元付近に力が入っていたのに気づく。
御伽蘭子は楽しそうに目を輝かせて、また俺の方に腕をかけた。
「あれ?もしかして面白くない?
瀬名くんて、推しが異性と共演するのダメな人?ガチ恋勢ってやつだぁ。へぇ。そっかぁ」
「……」
完全に面白がって煽っているのが、余計にムカつく。
何を言ってもしても余興にされる気がして、ただ感情を押し殺して外を向いた。
「あぁ、だめだめ。押し殺しちゃ。
瀬名くんてやっぱ素質あるよ。我慢強いタイプ。クールなのはイメージだけ」