【続編】ふたりの恋のそだてかた。

Ep.18 君の声を聞きたくて

6月4日。22:30。

自室のベッドで台本とメモノートを広げながら、右手でペンをクルクルと回す。
左手にはスマホ。耳に当てて、通話を繋いでいる。


「どしたの?急にかけてくるなんて、珍しいじゃん」

『……や、別に。なんとなく』


電波を通すと、余計に淡白に低く聞こえる声。

加えて今日はなんとなく元気もないような。
またNG連発でもしたかな?

「今日の、あー……と、今日、なんかあった?
またダメ出し多かったとか」


爽真との関係は家族にも秘密。
だから家で通話する時は、名前も出さないし業界っぽいワードも伏せる。

なるべく声は落としてるけど、家の壁やドアってそんなに厚くはないし……
できる対策はしないといけない。


『NGはまぁ多かった、けど……。
それとは別に、ただ声聞きたかったというか』

「……」


……おお?なんか素直に甘い。
これは相当凹んでるなぁ。

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