【続編】ふたりの恋のそだてかた。
ふと、ドアをノックする音がする。
「瑠奈?数学で一個聞きたいことあんだけど――」
晴の声だ。
「ごめん、晴。あとで……」
『いい、こっちが切るから。……じゃ、また』
「え、ちょっと」
ブツリ。一方的に通話が切れたと同時にドアが開いて晴が入ってくる。
「話し声聞こえてたけど、取り込み中だった?」
「あー、まぁ。そうね。でももう終わったから」
ベッドから出て、デスクの椅子を引いて座るように促す。
数学のテキストとノートを抱えた晴が、じっと訝しげな顔をした。
「……男?」
ドキーッ
「いやっ?ひよりだよ。
ほら最近よく会う……今度いつ会おうって相談してた」
演技力を活かして、何でもない顔で嘘をつく。
晴は私の椅子に座ってもなおジトっと私を見てきたけど、しばらくして疑いを解除してノートを開いた。
「ふぅん、あっそ」
「聞いといて何?その反応。
で?どの問題をお姉さまに聞きたいわけ?」
「お姉さまって何。うざい」
爽真は大丈夫なんだろうか……?
デスクライトを点けて小さい兄弟喧嘩を繰り広げながら、再来週会えるまではまめに連絡を取ろうって思った。