【続編】ふたりの恋のそだてかた。
♡
6月10日。今日は土曜日。
ロケ地の私立高校にて、私の映画もいよいよクランクインだ。
これから教室シーンの撮影。2-Aと表記された教室には、生徒役のエキストラがガヤガヤとしていて本当の学校風景みたい。
かといって、少し視点を変えれば大きな撮影機材が設定された空間や、制作スタッフが忙しなく動く姿も見える。
エキストラ出演は何度かあるから、そんな光景は珍しくはないのだけど……ここに主要キャストとして参加していると思うと、新鮮な気持ちだ。
そんな教室の片隅で、壁に張り付いてスマホを操作する。
(“初撮影、いってくるね”……と)
撮影開始を待ちながら、爽真とのトークアプリにそんな一言を飛ばす。
……喋ることならたくさんあるのに、文字のやりとりって何を話せばいいのかよくわからない。
爽真も“へー”とか“頑張れ”くらいしか言わないし。
完全に業務報告のツールだ。
「それ、爽真?」
急に隣から声をかけられて、思わずビクンと肩が跳ねる。
紫苑だ。
周囲の気配には注意してたつもりだったのに。
全く気づかなかった。
6月10日。今日は土曜日。
ロケ地の私立高校にて、私の映画もいよいよクランクインだ。
これから教室シーンの撮影。2-Aと表記された教室には、生徒役のエキストラがガヤガヤとしていて本当の学校風景みたい。
かといって、少し視点を変えれば大きな撮影機材が設定された空間や、制作スタッフが忙しなく動く姿も見える。
エキストラ出演は何度かあるから、そんな光景は珍しくはないのだけど……ここに主要キャストとして参加していると思うと、新鮮な気持ちだ。
そんな教室の片隅で、壁に張り付いてスマホを操作する。
(“初撮影、いってくるね”……と)
撮影開始を待ちながら、爽真とのトークアプリにそんな一言を飛ばす。
……喋ることならたくさんあるのに、文字のやりとりって何を話せばいいのかよくわからない。
爽真も“へー”とか“頑張れ”くらいしか言わないし。
完全に業務報告のツールだ。
「それ、爽真?」
急に隣から声をかけられて、思わずビクンと肩が跳ねる。
紫苑だ。
周囲の気配には注意してたつもりだったのに。
全く気づかなかった。