【続編】ふたりの恋のそだてかた。
「ちょっと!しーっ」
声を顰めつつ鋭く咎める。
「この声量とざわつきなら聞こえないって」
ちら、と周囲を見て紫苑。この人、その辺の見極めは信用できるからそれ以上言えない。
「ていうか、盗み見?趣味悪っ」
「話しかけようとしたら、チラッと見えただけだって。
嫌なら覗き見防止フィルムかけるとかしたら?」
……ぐ。確かに。次からそうしよう。
私は険悪、紫苑は淡白に会話してるけど、表情はお互いにこやか。
特に紫苑は、絶対に表情を崩さない。
「……ていうか、前会った時から思ってたけどなんでまだ私たちが続いてるって知ってるの?情報源ないよね?」
アオバケ男子は、撮影以来会ってないらしい。
彩加やひよりからもそんな話は聞かないから、紫苑が私たちの近況を知ってるのはおかしい。
紫苑はふっと私に視線を寄こす。
それから、普遍的な事実を言うかのようにさらっとこう答えた。
「あんな重い男が、一年やそこらで香月さんを手放すわけないでしょ」