【続編】ふたりの恋のそだてかた。

もし、瑠奈に。

別の誰かとの生活があって、それを見せつけられたとしたら――


侑征と美咲の立場に、そんなIFが混ざる。


「“…………”」


嫉妬と、不安。

恋人未満の距離は手に入れたのに、絶対に越えられない壁を知る。


——俺を確実に意識しているはずなのに。


タオルを探す美咲が俺に背を向けている間、苛立ちに眉が歪む。

でも、こんな余裕のない感情を悟られたくはない。


(……と、侑征は思ってる)


この感情は“俺”のものじゃないと、言い聞かせないと苦しくなる。


「“お待たせ。風邪引くから……これ、使って”」

純粋に心配した顔をした美咲が、タオルを片手に戻ってくる。

差し出したそれを受け取らず、嫉妬を隠して無表情に立ったままでいると――
「“……早く!”」と、焦れた美咲が俺の頭にタオルをかけて、髪を乱すように拭いてくる。

顔を顰めて必死な顔。
そこに特別な意味はなく、ただ心配してるだけ。


『よくないでしょ!このあと仕事……』


最後に会った日に、リップの色が映った俺の口元を必死に拭き取っていた瑠奈が重なる。

全く脈絡のないシチュエーションに断片的に繋がってしまった現実が、切なくて、苦しくて。
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