【続編】ふたりの恋のそだてかた。
「いいよ瀬名くん。侑征の芝居、馴染んできたね〜」
ハジメ監督の上機嫌な声が、まだぼうっとしている耳に届く。
……確かに台詞回しの失敗でNGを出すことはあっても、演技の問題で止められることは極端に減った。
「……ありがとうございます」
曖昧に一礼して、目の前で満足そうににこにこしている御伽蘭子を一瞥する。
演技が良くなってる実感は正直まだ薄いけど――……
この人に感情を煽られた後の演技は、特に良しとされることが多い気がする。
「このままシーン24の撮影行こう。場面転換用意と、御伽さんと瀬名くんのセットし直して――」
忙しなく動く現場は、思考の隙を与えない。
スタッフに誘導されて濡れた服を着替えて髪を乾かして、全てが整う頃には次のシーンの撮影に入った。