【続編】ふたりの恋のそだてかた。

Ep.21 連ドラ、初視聴

7月5日。
木曜、22:00。

自宅のリビングで、入浴後のケアをしながらソファに座ってテレビの前に待機する。

今日は爽真が出演するドラマの第一話放送日。
それを、オンタイムで観ようというわけだ。


CMが明けて、爽やかな朝の場面が映る。
主人公・美咲が婚約者の大翔と迎える幸せな朝の日常

――そんなシーンから、ドラマは始まった。


「なにこれ、新ドラマ?」
「そー。御伽蘭子主演!伊織叶恵脚本!」


ソファ後ろのダイニングテーブルで炭酸飲料のペットボトル片手にスマホ弄りしていた晴からの問いかけに、テレビを見たまま答える。

「女優さんは知ってるけど、脚本家は言われてもわからないわよね」なんて、キッチンでお皿を片付けているお母さんが、呆れたように笑った。


まぁ、オンタイムで観る1番の理由は爽真なんだけど。
そんなこと言えないし。


(婚約者役、荒木 慎(あらき しん)さんかぁ。
ちょっと優柔不断そうなとこがぴったり。キャスティング神がかってるな)

ボディクリームの蓋を閉めて、ソファで行儀良く体育座りする。


画面の中で、2人分の朝食が並ぶダイニングテーブルの隅に置かれた大翔のスマホが不意に鳴る。
結婚式のあれこれを美咲が夢中で話してるのには生返事だったのに、すぐに画面を確認する大翔。

『仕事のメール?』
『うん、ちょっと面倒な顧客がいて』

なんて返答が秒速。


浮気、略奪。
このドラマのテーマを知っている視聴者だからこそわかる些細な違和感に、まだ美咲は気付かない。

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