【続編】ふたりの恋のそだてかた。
スタッフ達がまた自分の業務に戻り始めた瞬間、身を屈めて紫苑に迫る。

「いきなり変なこと言わないでよッ」

「えっ……もしかして、“まだ”なの?」

ひそひそ声の応酬。

素直にびっくりしてる紫苑。
結んだ唇がわなわなと震えて、余計に顔が赤くなる。


「そんな……そんなこと……っ言えるわけないでしょ!!」

「えぇ、でももう付き合って一年半くらいでしょ?
……わぁ。俺、香月さんと付き合わなくてよかったぁ」

「それ、どういう意味!?」


紫苑が私に目線を合わせて屈んで、私もヒートアップしているから距離が詰まる。

小声でごちゃごちゃ言い合っている様を、遠くから広報担当のスタッフが撮っていることには気付かない。



「写真撮るなら、もっと寄ればいいんじゃ無いすか?」

通りがかりのスタッフが、スマホを構える広報に何気なく声をかける。

「あぁいいんです。あの2人、カメラに気づくと途端にお行儀良くなっちゃうから――
遠くから撮った方が、等身大っぽい画が撮れるんですよ」

「あー、なるほどぉ」

「楽しそうですよね。何話してるかはわからないですけど」

公式SNS更新用スマホのカメラロールに追加された写真を見て、彼女はそう言って笑った。
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