【続編】ふたりの恋のそだてかた。
「ひよりが原作好きなんで、めっちゃ喜んでましたよ!
でもなんか、心配もしてて。あれのラスト、キスシーン……」
「陸――!?!?」
パシンと一歩遅れて大和が陸の口を塞ぐ。
陸の持っていたジュースのグラスが、カランと音を立てて液体を跳ねさせた。
「そうそう、あるよ。キスシーン」
大和の努力も虚しく、紫苑が薄く笑いながらあっさりとそれを認める。
「でも仕方ないよね?仕事だからね。
やるしかないよね。しごと、だから」
「……」
こいつ。完全に煽ってる。
俺の視線が更に鋭くなったのを察して、大和が1人狼狽し出す。
「ああっと!ほら、爽真。最近瑠奈とどう!?
仲良くやってる?仕事のことだって、当然事前に聞いてるよねっ?ね!?」
あまりの焦りぶりに、申し訳なくなってきて怒る気が失せる。
ため息ひとつで苛立ちをいなして、大和たちの方だけ見ることにした。
「……別に、普通にやってると思う」
「……ふふっ、」
「は?」
妙なタイミングで噴き出した紫苑に、また声が低くなる。
「……何?」
「いや?爽真の話結構聞くし。仲はいいんだろうけど……ね?」
クスクスと肩を揺らしてこっちを伺い見てくるから、苛立ちが戻ってくる。
コイツ、瑠奈と何話してんの?
馬鹿にしたみたいな態度にも腹が立つ。