【続編】ふたりの恋のそだてかた。
「そうそう。瑠奈ちゃんの演技、磨きかかってるね」
ぴたりと足が止まる。
向き合った紫苑の顔は余裕そうではあるけど含みはない、ただの状況報告のような態度だった。
「最近特にすごいよ。完璧な再現に、感情が入り始めてるって言うのかな……そこ、俺の課題でもあったから先越されちゃった。
――誰のおかげだろうね?爽真くん」
『綺麗すぎて人間味がないって言われて……』
落ち込んでた日の瑠奈を思い出す。
(課題、克服したのか。よかった)
けど、なんでコイツから聞かされるんだよ。
薄暗い店内でも際立つ蜂蜜色の髪色と、2年前より濃くなった光る正統派ぶったオーラに腹が立つ。
やっぱりコイツは食えないし、ムカつくし、油断ならない。
だけど今は、瑠奈が俺を選んで求めてくれる自負があるから。
「誰のおかげでもない。瑠奈が自分で立ち上がって考えて、乗り越えただけだ」
「ふぅん。ならそういうことにしとこうかな」
特に追求することもなく、紫苑は1人で個室を出ていく。
今度会う時、瑠奈に何を話せるだろうか?
端折りすぎて「嘘!それだけなわけない!」と言われる予感しかなくて、少しだけ甘い苦笑が漏れた。


