【続編】ふたりの恋のそだてかた。
Ep.5 互いの価値への向き合いかた。
4月5日。
生活感のない街並みにも、人の住むところに近づけばほんのりと夕飯の匂いが漂い始める時間帯。
仰々しいエントランスを潜り抜け、エレベーターから五階へ上がる。
降りた先で左右どちらにいくかだけを迷って、503号室のインターホンを鳴らした。
ガチャ、と今日は慎重に細く開くドア。
爽真が一歩中に引いたのを確認してから、私が入れる分だけドアを開けて中に入った。
「……お邪魔します」
「うん」
初回とは違って、ちょっと他人行儀。
楽しいテンションで上がり込めないのは、一昨日の女子会でのことがあるからだ。
リビングに入ると、この間よりはちょっと片付いている。
段ボールが半分くらい減った。
ラッコはソファの上で寝てる。
今日は一日オフだって聞いてた通り、爽真自身も家に馴染むゆるさ。
最近は艶っぽくワックスで流していた黒髪が、今日はストンと落ちついている。
黒いTシャツとスウェットパンツが、シェアハウスで深夜に会っていた頃の部屋着を思わせた。
「夕飯は?」
「まだ」
「作るし、食べてけば」
「爽真のごはん……」
爽真料理上手を知ってるから、そそられる。
うっかり釣られそうになって、ハッとして表情を引き締めた。
「そのまえに!爽真に、聞きたいことがある」
生活感のない街並みにも、人の住むところに近づけばほんのりと夕飯の匂いが漂い始める時間帯。
仰々しいエントランスを潜り抜け、エレベーターから五階へ上がる。
降りた先で左右どちらにいくかだけを迷って、503号室のインターホンを鳴らした。
ガチャ、と今日は慎重に細く開くドア。
爽真が一歩中に引いたのを確認してから、私が入れる分だけドアを開けて中に入った。
「……お邪魔します」
「うん」
初回とは違って、ちょっと他人行儀。
楽しいテンションで上がり込めないのは、一昨日の女子会でのことがあるからだ。
リビングに入ると、この間よりはちょっと片付いている。
段ボールが半分くらい減った。
ラッコはソファの上で寝てる。
今日は一日オフだって聞いてた通り、爽真自身も家に馴染むゆるさ。
最近は艶っぽくワックスで流していた黒髪が、今日はストンと落ちついている。
黒いTシャツとスウェットパンツが、シェアハウスで深夜に会っていた頃の部屋着を思わせた。
「夕飯は?」
「まだ」
「作るし、食べてけば」
「爽真のごはん……」
爽真料理上手を知ってるから、そそられる。
うっかり釣られそうになって、ハッとして表情を引き締めた。
「そのまえに!爽真に、聞きたいことがある」