【続編】ふたりの恋のそだてかた。
キッチンに行きかけていた爽真が、きょとんとして振り返る。
なんの予感も察知していない。
まるで隠し事などないかのように。
真面目な顔で溜めを作る私に、爽真が「瑠奈?」と呼びかけてくる。
それでぎゅっと寂しくなって、やっと口を開いた。
「連ドラ主演の出演依頼が来てるって話、なんで教えてくれなかったの?」
爽真の顔が驚いて固まる。
しばらくそのまま沈黙して、苦々しそうに眉を歪め、“白石め、喋ったな”なんて呟いていそうな表情になった。
「やっぱり本当だった!私が映像映像ってずっと言ってるから気遣った?言いにくかった?
でも黙ってる方がよっぽど――」
「ストップ。瑠奈、落ち着け」
足早に近寄ってきた爽真が、私の頭を緩く抱く。
子どもにするみたいにポンポンと後頭部を撫でて、肩に額をつけさせた。
「そんな風に優しくされると、余計に腹立つんですけど……っ」
言いながら、頭を抱く爽真の腕にしがみつく。
振り解かない私に爽真が少し安堵したように息を吐いて、軽く頭を寄せてきた。
「何も言わなくて悪かった。ちゃんと話すから、聞いてくれる?」
悔しさに眉間の皺が深くなる。
この状況で、その聞き方はずるい。
「……わかった」
苦々しく、呟いた。