【続編】ふたりの恋のそだてかた。
爽真が私の手から企画書を奪う。反対の手は私の頬に当てがって、そっとこめかみから髪に指を差し入れた。
きゅんとしまるのに速まる鼓動。
不満そうな拗ね顔に見つめられて、顔に熱が集まってくる。
「……俺が断ったのは、自分が演技向きじゃないってわかってるからなのと」
すり、と撫でて動く手に、髪が擦れる音が耳に響く。
「瑠奈が尊敬してる御伽蘭子との絡みのシーンがほとんどな恋愛ドラマだったから」
爽真の声が、一段低くなる。
「そのへん、わかってても勧める?」
鼓動が強くなりすぎて、息が浅くなる。
それでもやっとの思いで声を押し出して、強がりに眉を寄せた。
「そんなの、脚本が伊織叶恵の時点で知ってる!
濃厚ラブストーリーで有名な人だよ!深夜帯やってた時とかすごかったんだから!」
一瞬怯んだ爽真の手が、ふっと隙間を作る。
その手を捕まえて押さえ込んで、頬にくっつけさせた。
「その上でもったいないって思う。
前から言ってるけど、爽真は絶対映像向き!
新人がこんな豪華製作陣とキャストに恵まれるチャンス、そうそうないよ?
演技に不安があるなら私も全面協力するから、絶対受けた方がいい……!」