【続編】ふたりの恋のそだてかた。
「ごめ、今のは――」
謝ろうと彼の方を見たら、
“わん!”
……とでも言いたげに、お行儀よく姿勢を正して座ってた。
しかも笑顔で。
「そのままステイ。こちらは瑠奈さんに大事な話があって呼び出しているんです」
はぁーっと盛大なため息をついた御手洗が、メガネをあげながら茶封筒を持って私の向かい側に座る。
「ステイってなんですか、御手洗さん!俺、犬じゃないですよっ!?」
恭介くんは不満そうに子供っぽく唇を突き出しながら、むん、と腕を組んで抗議した。
「じゃあせめて静かにしててください。
……さて瑠奈さん。あなたに新しい仕事の依頼が来ています」
茶封筒から書類を取り出す御手洗が、いつも以上に真剣な顔をしている。
「え?この時期に結果出るオーディションなんて、あったっけ?」
「いえ。ですから、依頼。オファーです。
向こうから頼まれた仕事です」
「…………私に?」
にわかには信じられなくて渋い顔になる。
「すごいです!瑠奈さん!」なんて恭介くんがソファでお尻を弾ませるから、古いスプリングが壊れそうに軋んだ。