【続編】ふたりの恋のそだてかた。
――……
17:15。
「では、テスト撮影入ります!」
助監督の声で、現場には言い表しがたい緊張感が走る。
けれど、現場は容赦なく動き出す。
「よーい……ハイ!」
ハジメさんの低く締まる声で、撮影がスタートした。
カフェカウンターの中で、コーヒーを淹れながら談笑するオーナーと美咲。
侑征は、少し離れた場所でグラスの拭き上げをしている。
店内に客はまばら。
閑散とする夕方近くの時間帯。
冒頭は、美咲とオーナーのやりとりから始まる。
「“美咲ちゃん、式準備どう?忙しいけど、楽しいでしょう”」
「“そうですねぇ……彼が忙しくて、作り物とか全部私で。
でも、うん。楽しいです”」
愚痴をこぼしながら、幸せを隠しきれないはにかんだ笑顔。
自分の惚気に照れながら頬を紅潮させ、思わず作業の手が止まるのは、御伽蘭子ではない。加賀屋美咲その人だ。
(――ここで、嫉妬を押し殺した視線)
あくまでフラットに、わずかに瞼を落として影を作る。
グラスを持つ指先に、ほんの少し力を入れるだけ。
その行動の意味深さは、カット割りが勝手に増幅してくれる。
瑠奈が教えてくれた、演技のテクニックだ。
17:15。
「では、テスト撮影入ります!」
助監督の声で、現場には言い表しがたい緊張感が走る。
けれど、現場は容赦なく動き出す。
「よーい……ハイ!」
ハジメさんの低く締まる声で、撮影がスタートした。
カフェカウンターの中で、コーヒーを淹れながら談笑するオーナーと美咲。
侑征は、少し離れた場所でグラスの拭き上げをしている。
店内に客はまばら。
閑散とする夕方近くの時間帯。
冒頭は、美咲とオーナーのやりとりから始まる。
「“美咲ちゃん、式準備どう?忙しいけど、楽しいでしょう”」
「“そうですねぇ……彼が忙しくて、作り物とか全部私で。
でも、うん。楽しいです”」
愚痴をこぼしながら、幸せを隠しきれないはにかんだ笑顔。
自分の惚気に照れながら頬を紅潮させ、思わず作業の手が止まるのは、御伽蘭子ではない。加賀屋美咲その人だ。
(――ここで、嫉妬を押し殺した視線)
あくまでフラットに、わずかに瞼を落として影を作る。
グラスを持つ指先に、ほんの少し力を入れるだけ。
その行動の意味深さは、カット割りが勝手に増幅してくれる。
瑠奈が教えてくれた、演技のテクニックだ。