【続編】ふたりの恋のそだてかた。
スタートして、泣きながら爽真へと振り返る。
今度はちょっと虚に、薄く唇を開けて――
しっかり弱ってる女が出るように、隙だらけにしてみた。
「“……侑征くん?いたんだ……”」
無理やり強がるように涙に濡れたままへら、と微笑む。
少し離れたところにいる爽真の喉が、こくりと動いた。
さっきと同じセリフを繰り返して、一歩ずつ足を踏み出す。
さっきはあんなに早かった足音が、今は足枷でもあるのかと思うくらい慎重なすり足に変わる。
自制と、衝動。
そのせめぎ合いを感じる、侑征みたいな足音だった。
(……あれ?思った以上にいい感じ……?)
じわじわと迫る危険な圧に、思わず息を呑む。
近づいてくる爽真の表情はさっきと同じく感情を押さえつけた無表情なのに、その中身が違う。
前に指導したような、重めの瞼に低く重い眼圧。
その隙間から覗く夜色の虹彩には、妖しげな熱を孕んでいる。
——意識して作っているように見えない、異様な生モノ感。
目の前に来た途端、ひた、と静かすぎるほど静かに爽真がテーブルに手をつく。
冷えているのに熱い視線に捉えられて、ぞくりと背筋が泡だった。
「……っ」
節っぽい綺麗な指が迷いながら伸びてきて、そのくせ一瞬で私の顎先を捕まえる。
瞬間、背中の泡立ちが全身に広がって、熱くなった胸の鼓動が騒ぎ出す。
「……」
爽真は何も言わずに、じっと私を見下ろしている。
夜色の目は、いつにも増して光がない。
ここで侑征のセリフがくるはずなのに。
いつまでもこなくて、妖しい間に耐えられなくなった。
今度はちょっと虚に、薄く唇を開けて――
しっかり弱ってる女が出るように、隙だらけにしてみた。
「“……侑征くん?いたんだ……”」
無理やり強がるように涙に濡れたままへら、と微笑む。
少し離れたところにいる爽真の喉が、こくりと動いた。
さっきと同じセリフを繰り返して、一歩ずつ足を踏み出す。
さっきはあんなに早かった足音が、今は足枷でもあるのかと思うくらい慎重なすり足に変わる。
自制と、衝動。
そのせめぎ合いを感じる、侑征みたいな足音だった。
(……あれ?思った以上にいい感じ……?)
じわじわと迫る危険な圧に、思わず息を呑む。
近づいてくる爽真の表情はさっきと同じく感情を押さえつけた無表情なのに、その中身が違う。
前に指導したような、重めの瞼に低く重い眼圧。
その隙間から覗く夜色の虹彩には、妖しげな熱を孕んでいる。
——意識して作っているように見えない、異様な生モノ感。
目の前に来た途端、ひた、と静かすぎるほど静かに爽真がテーブルに手をつく。
冷えているのに熱い視線に捉えられて、ぞくりと背筋が泡だった。
「……っ」
節っぽい綺麗な指が迷いながら伸びてきて、そのくせ一瞬で私の顎先を捕まえる。
瞬間、背中の泡立ちが全身に広がって、熱くなった胸の鼓動が騒ぎ出す。
「……」
爽真は何も言わずに、じっと私を見下ろしている。
夜色の目は、いつにも増して光がない。
ここで侑征のセリフがくるはずなのに。
いつまでもこなくて、妖しい間に耐えられなくなった。