世界で一番わがままな君とガラスの心臓
「えっ……違っ、手加減とかじゃなくて、ただ申し訳ないなって思っちゃって——」


「同じことじゃない!!」


明日は立ち上がり、手にしていたかき氷の器を縁側に叩きつけるように置いた。赤いシロップが、白い氷とともに木目へ散らばる。


「万死に値するわよ、風花! 私に気を遣って不完全燃焼の走りをしてるなんて、愚かの極み! 私を馬鹿にするのも大概にしなさい!!」


「明日……! 馬鹿にしてなんか——」


「馬鹿にしてるわよ! 私が走れないからって、同情して、手抜きして! そんな半端な走りをするくらいなら、今すぐ陸上部なんて辞めなさい! 私の前に二度と顔を見せないで!!」
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