世界で一番わがままな君とガラスの心臓
「ここから見るとさ……海咲町って、まるで綺麗な箱庭みたいだね」


私が並んで外を眺めると、明日はフンと鼻を鳴らした。


「狭くて、息が詰まる箱庭よ。……でも、悪くないわ。あんたがバカみたいに走り回ってるのが、よく見えるから」


窓から吹き込む少し冷たくなった海風に黒髪を揺らしながら、明日はぽつりと続けた。


「風花さ、いつも言ってるじゃない。『来年の夏はみんなで海に行こう』とか『高校を卒業したらさ』とか」


「……うん」


「あの言葉、聞くたびに吐き気がするの」


明日はゆっくりと首を横に振り、自嘲気味に口元を歪めた。
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