世界で一番わがままな君とガラスの心臓
なまこ壁の路地でカメラを向けられて

ガラスのお姫様と放課後の罵詈雑言

病弱で体質が弱く、白磁のように透き通った肌と儚げな瞳を持つ明日は、学年中の「守ってあげたいガラスのお姫様」として絶大な人気を誇っていた。



「ありがとう……みんな、いつも親切にしてくれてごめんなさいね」


明日は申し訳なさそうに胸の前で手を合わせ、小さく微笑んだ。伏目がちにすると、カーブを描く睫毛が影をつくる。


その可憐で健気な仕草に、男子生徒たちは一瞬で鼻の下を伸ばし、女子生徒たちは「もう〜、明日ちゃんは本当に良い子なんだから!」とメロメロになっている。



教室の隅で部活の着替えをカバンに詰めていた私は、その光景を横目で見ながら、(うわぁ……始まったよ……)と生暖かい溜め息をつくしかなかった。
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