世界で一番わがままな君とガラスの心臓
白いワンピースの裾をキュッと握りしめ、しおらしく頭を下げるその姿は、どこからどう見ても『病弱で健気な、守ってあげたくなるおしとやかお嬢様』そのものだ。


(で、出たーーー! 明日の超・高速ねこかぶりモード!)


私は口をポカンと開けて固まってしまった。


さっきまで「誰の許可を得て喋ってるの」なんて上から目線で威嚇していた悪魔が、たった一秒で可憐な天使に化けたのだ。この女優顔負けの切り替え速度には、何度立ち会っても眩暈がする。


「……風花? お客様の前ですよ。そんな間抜けなお顔をして、失礼でしょう?」
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