世界で一番わがままな君とガラスの心臓
「はじめまして。隣の一之瀬写真館の孫で、湊っていいます。……じいちゃんから聞いてたよ。『茅野家のお嬢さんは近所一番の美少女だけど、猫をかぶるのがすごく上手いから気をつけろ』って」


「……は?」


明日の完璧な笑みが、ピキッと音を立てて凍りついた。


嘘でしょ、おじいさん何吹き込んでるの!?


私が心の中で叫んだ瞬間、湊先輩は縁側の前に敷かれた石畳を踏みしめ、明日の目の前まで歩み寄ってきた。


背の高い湊先輩が少しだけ身をかがめ、明視と視線の高さを合わせる。


過剰に病人扱いして怯える風でもなく、かといって見下すでもなく。


まるで長年の悪友に接するみたいに、悪戯っぽい瞳で明日をじっと見つめた。
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