世界で一番わがままな君とガラスの心臓
がっしりとした、けれど決して痛くはない、包み込むような強い力。


「無理すんなって。興奮すると体に障るんだろ?」


「放しなさいよ! 触らないでって言ってるでしょ! 風花、ハサミ! ハサミ持ってきて! こいつのカメラのストラップ切って海に沈めてやる!!」


「持ってくるわけないでしょ! 落ち着きなさい明日!」


私は慌てて二人の間に割って入り、暴れる明日の身体を後ろから抱きしめた。


明日は私の腕の中で「放しなさいよー!」とジタバタ足をバタつかせているけれど、その頬は夕焼けの空よりも赤く染まっている。


湊先輩は、自分の服を掴んで怒り狂う明日を避けるでもなく、どこか眩しそうな目でじっと見つめていた。
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