海から届いたお守り

海から来た宝物

交流会の終わりが近づいていた。

凪沙はポケットに手を入れる。

指先に、何かが触れた。

そうだ。

今日持ってきていた。

海で拾ったシーグラス。

淡い色をした、小さな欠片。

凪沙はそれを取り出した。

「樹くん」

「ん?」

「これ、あげる」

樹は目を丸くした。

「俺に?」

「うん」

「いいの?」

「いいよ。海で拾ったの」

凪沙は笑った。

「綺麗でしょ?」

樹は手のひらに乗せたシーグラスを、じっと見つめた。

海を知らない自分の手の中に、海から来たものがある。

「……綺麗」

「大事にしてね」

「うん」

樹は、小さく頷いた。

そのとき二人は知らなかった。

その小さなシーグラスが、何年もの間、二人をつなぐことになるなんて。
< 3 / 31 >

この作品をシェア

pagetop