愛される星

「あなたに何がわかるのかしら?」


少しツンケンしてしまう。他人に私の何がわかるというのか。


「寂しい歌を唄うんだね。」


(うるせぇよ。ほっとけ!)と思った。


僕なら君を理解できる。
数々の男のその言葉を聞いてきた。


こいつもそんなモンだろうと思った。


「引っかけようとしたって、私は引っ掛からないよ」


「けっこうだよ。そんな気持ちは更々ないからね。」


この客は甘い言葉を言わなかった。


石垣さん、とママに呼ばれていた。


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