愛される星

「そんな付き合いならやめなさい。」


隣に座った客がそう言った。


友達のスナックで歌を唄うようになって2年になる。


私は26歳になっていた。


私はホステスじゃない。客の酒をつぐなんて、私の性に合わない。


ただ、毎晩唄う。


「しぃちゃんって言うんでしょ?」


スナック街では歌唄いとして少しずつ名前が知れ始めていた。


「噂を聞いてやってきたの?」


「うん。」


「そんな付き合いならやめなさいって?」


「君、疲れた顔してる。彼氏いるんでしょ?」


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