ノンデリ男の敗北  ~モテる俺が法学部女子に告白したら「私は好きではありません」と普通に振られた~

仕事で覚えた段取りは、凛に会うときにも必要だった。

大学に通っていた頃は、昼休みに顔を見られた。
講義が終われば、一緒に帰れた。

働き始めると、そうはいかなかった。

『今日、飯行ける?』

そう送った日に限って、凛の仕事が終わらない。
逆に、凛から連絡をもらった日に、俺が会社を出られないこともあった。

会いたい気持ちはあるのに、予定が合わなかった。

日曜日の夜、俺たちは電話をしながら、それぞれの予定を確認した。

「来週、俺は月曜と木曜が遅くなりそう。」

「私は、火曜日が難しいかな。」

「じゃ、水曜は?」

「今のところ、大丈夫だと思う。」

俺はすぐに、水曜日の欄へ印をつけた。

「凛の会社の近くまで行くわ。」

「二人の帰り道が重なる駅にしない? その方が、帰るのも楽だし。」

「あ、そっか。」

「それと、遅くなるって分かったら連絡するね。」

「俺も。無理そうなら、土曜にしよ。」

言ってから、少しだけ惜しくなった。

「……でも、水曜も会えたら嬉しい。」

「私も。」

返事が早かった。
それだけで、月曜日から頑張れる気がした。

水曜日は、夕方のうちに仕事の進み具合を連絡し合った。
俺も朝から、その日中に必要な確認を先に済ませた。
もちろん、それだけで予定どおりに帰れる日ばかりじゃなかったけど、その日はうまくいった。

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