クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい
大きくなる不協和音
靴箱の紙切れ事件から、二日ほどが過ぎた。
結局、靴にイタズラをされたり暴言を直接ぶつけられたりするわけでもなかったので、私は「気にしないのが一番」と決め込み、いつも通り学校生活を送っていた。
だけど、嫌がらせは地味に、そしてじわじわと続いていた。
「あれ……? 私の移動教室用のバッグ、どこ行ったろ……」
移動教室の前、フックにかけておいたはずのトートバッグが見当たらない。
あちこち探すと、なぜか掃除用具入れの奥の隙間に押し込まれていた。
「……うーん、落ちちゃったのかな?」
絶対に自然に落ちる場所じゃないけれど、私はわざと明るく呟いてバッグのホコリを払い、何事もなかったかのように教室へ戻った。
騒いだら相手の思うツボだしね。平気平気!
自分に言い聞かせて5時間目の移動教室へ向かう廊下でのこと。
「あ……」
向かいから、友達と歩いてくる氷室くんとすれ違った。
相変わらず女子からの視線を独り占めにしている彼と、一瞬だけ目が合う。
目立ちたくなかった私は、軽く会釈だけして通り過ぎようとした。
けれど、氷室くんは私を見るなりピタリと足を止めた。
「お疲れ。……って、お前そのバッグどうした?」
「えっ……?」
氷室くんの視線は、私が手に持っているトートバッグに注がれていた。
黒い布地に、掃除用具入れの白いホコリがまだうっすらと残ってしまっている。
結局、靴にイタズラをされたり暴言を直接ぶつけられたりするわけでもなかったので、私は「気にしないのが一番」と決め込み、いつも通り学校生活を送っていた。
だけど、嫌がらせは地味に、そしてじわじわと続いていた。
「あれ……? 私の移動教室用のバッグ、どこ行ったろ……」
移動教室の前、フックにかけておいたはずのトートバッグが見当たらない。
あちこち探すと、なぜか掃除用具入れの奥の隙間に押し込まれていた。
「……うーん、落ちちゃったのかな?」
絶対に自然に落ちる場所じゃないけれど、私はわざと明るく呟いてバッグのホコリを払い、何事もなかったかのように教室へ戻った。
騒いだら相手の思うツボだしね。平気平気!
自分に言い聞かせて5時間目の移動教室へ向かう廊下でのこと。
「あ……」
向かいから、友達と歩いてくる氷室くんとすれ違った。
相変わらず女子からの視線を独り占めにしている彼と、一瞬だけ目が合う。
目立ちたくなかった私は、軽く会釈だけして通り過ぎようとした。
けれど、氷室くんは私を見るなりピタリと足を止めた。
「お疲れ。……って、お前そのバッグどうした?」
「えっ……?」
氷室くんの視線は、私が手に持っているトートバッグに注がれていた。
黒い布地に、掃除用具入れの白いホコリがまだうっすらと残ってしまっている。