攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
――嘘でもいいから傷ついたふりをしていれば、もっと早くに本音を吐露できたと言われても、こちらにはそれができない事情がある。
そんな態度を見せれば、私に過保護なフェドクスは間違いなく激怒する。
魔王討伐の旅どころではなくなり、身内同士で争う羽目になるなら、これまで通りの反応を取っていたほうがいいに決まっている。
――この話はこれ以上、続けるべきじゃないかも……。
そう考えた私は、彼に質問をした。
「どうして私が左腕の傷を肩代わりした際、涙を流してくださったのですか」
ガザンはしばらく迷う素振りを見せたあと、どこか照れくさそうに声を発した。
「オレがあんたの立場なら、平気じゃなくても気丈に振る舞う。だったら、代わりに泣いてやろうと思ったんだよ」
「優しいのですね」
「それは、あんたのほうだろうが……」
彼はグレーの瞳を切なげに細めたあと、私の額にかかった前髪を愛おしげに撫でつけ、横に退けてくれた。
まさかガザンからこんなふうに慈愛に満ちた視線を向けられるとは思わず、戸惑いを隠せない。
そんな態度を見せれば、私に過保護なフェドクスは間違いなく激怒する。
魔王討伐の旅どころではなくなり、身内同士で争う羽目になるなら、これまで通りの反応を取っていたほうがいいに決まっている。
――この話はこれ以上、続けるべきじゃないかも……。
そう考えた私は、彼に質問をした。
「どうして私が左腕の傷を肩代わりした際、涙を流してくださったのですか」
ガザンはしばらく迷う素振りを見せたあと、どこか照れくさそうに声を発した。
「オレがあんたの立場なら、平気じゃなくても気丈に振る舞う。だったら、代わりに泣いてやろうと思ったんだよ」
「優しいのですね」
「それは、あんたのほうだろうが……」
彼はグレーの瞳を切なげに細めたあと、私の額にかかった前髪を愛おしげに撫でつけ、横に退けてくれた。
まさかガザンからこんなふうに慈愛に満ちた視線を向けられるとは思わず、戸惑いを隠せない。