攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 ――魔女と呼ばれた母親を引き合いに出されちゃ、堪んねぇ。

 父親と同じくらい、立派な男になる。
 オレはそれを目標にして、世界一の狙撃手になると決めた。

 ――狙いを定めて引き金を引くのが、好きだ。
 急所に当たりさえすれば、敵は面白いくらいになすすべもなく倒れ伏す。

 もっと、もっと、もっと、もっと――。

 オレはあっという間に、射撃の魅力に取り憑かれ――。
 そうして、引き金を引くことでしか敵を倒せなくなってしまった。

『第二王子の側近が、こんなに取っ組み合いが弱いなんて知られるわけにはいかないなぁ』
『てめぇはなんでこんなに、強いんだよ……!』
『そりゃ、ゴリラの兄上に毎回投げ飛ばされるのが嫌だからに決まっているじゃないか』

 接近戦に慣れるべく、何度もルドルフと手合わせを続けたが、どうにも自らの手足で殴る蹴るの技を繰り出すのは性に合わなかった。
 いつも笑顔を浮かべるあいつに負け続けた結果、オレはあっさりと近距離戦をしてることにした。

 それを大人になってから後悔する羽目になるなど、思わずに――。
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