攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 そんなわけがないと何度引き金を引いたところで、百発百中の辺境伯などというふざけた2つ名すらも見る影もない。

「くそ……っ!」

 どんなに狙いを定めても、あらぬ方向へ飛んでいく弾丸。
 苛立ちばかりが募り、それを解消したい一心で酒を煽る。
 だが、酔いが覚めるとこの上ない絶望感に晒された。

 もう、何も考えたくない――。

 こうしてオレは自暴自棄になり、魔物に魅入られてしまった。

「かわいそうですわね……。安心なさい。何もかも忘れて、わたくしに身を委ねるんですの。そうすれば、あなたは一生幸せに暮らせますわ」

 ――オレの幸せって、なんだ?
 そんなの、考えるまでもない。

 ルドルフが国王として、この国に君臨すること。

 そして――。

 俺とそっくりなあの子の行く末を、そばで見守ることだ。

 気色悪いババァに、いつまで経ってもいいように操られている場合じゃねぇ!

 どうせ、駄目になりかけた左腕だ。
 中途半端に残しておくよりは、いっそのこと己の手でぶっ壊しちまったほうがいいに決まっている。
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