攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 ――ああ。楽しくなってきた。

 いけ好かない聖女を傷つけたおかげで、やっとオレはあいつの特別になれたのだ。

 どれほどみっともない姿を晒したとしても、構わない。
 一生、しがみついてやる。

「今のはちょっと、やりすぎじゃない?」
「オレはあいつの邪魔をしてんじゃなくて、背中を押してやったんだよ」

 エミリエを押し倒すオレを突き飛ばした際のフェドクスは、何度思い出しても笑える。
 視線だけで射殺されるんじゃないかと錯覚するほどに憎悪を抱くなど、簡単なことではない。

「一番近くで愛を注いでいたのに、いつの間にか仲間外れにされる恐怖――あいつにも、味わわせてやりてぇんだよなぁ」
「相変わらず、性格が悪いね」
「あんたに言われたくねぇよ」

 純粋な性格の悪さだけで言えば、オレよりもこいつのほうが数倍は上だ自分のことを棚に上げて避難してくる親友に苛立ちを隠せずに笑い飛ばしたところ、ルドルフが隣に腰を下ろす。

「二度あることは、三度あるっていうよね」
「あいつ、実は未来が見えるんじゃねぇか?」
「その可能性は、僕も考えたよ」
「で? あんたの結論は?」
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