攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「気にする必要は、ありません。すべて、本の中の出来事ですから」

 同情が、恋愛感情に変わることだけはあってはならない。
 彼らはそう遠くない未来に、じこファンのヒロインと恋愛関係に発展する予定なのだから。

「あんたも見かけによらず、苦労してんだな」

 必要以上に気にしなくていいと遠回しに告げたところ、耳元でアドバイスを受ける。

「限界を迎える前に、助けを求めろよ」

 ――わかっている癖に。
 どれほど優しい言葉をかけられたって、簡単には弱音など吐き出せないと。

 私とよく似ている彼が、たとえこのような助言をしたところで無意味だと理解していたとしても――。

 こうしてこちらを気にかけてくるのは、そうしないと虫の居所が悪いからなのだろう。

「ありがとう、ございます」
「おう」

 ガザンは何事もなかったかのように、真新しい服へ着せ替えてくれた。
 今のところ、彼がこちらへ襲いかかる様子はない。

 ――もう、身構えていなくても平気かな……。

 私はゆっくりと目を閉じたあと、気持ちを切り替え――。
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