攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 いくら自分たちが所属する組織を恨んでいたとしても、彼らが不利になるような行いを働けば、しっぺ返しを食らう羽目になると言う知識くらいは持っている。

 私はてっきり、身の安全を案じて青褪めたとばかり思っていたのだが――。
 どうやら、違ったようだ。

「こいつは……っ。エミリエの、肌を……!」

 フェドクスはガザンを指差し、プルプルと小刻みに震えてしまった。
 どうやら、怒りでどうにかなってしまいそうな状態らしい。

「くく……っ。はは……っ! この程度で、嫉妬するとか……!」

 そんな幼馴染の姿を目にして、大笑いしないでほしいんだけどな……。

 私は申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、ガザンの代わりにフェドクスへ謝罪した。

「いつもフェドクスにばっかり負担をかけて、ごめんね」
「身の回りの世話をするのも、仕事のうちだ」

 幼馴染は真顔で断言するが、本来こうした役割は侍女が行うべきだ。

 しかし、神殿で最下層の扱いを受ける自分は、この身1つで戦場送りにされてしまった。
 その結果、かわいそうに思った彼が甲斐甲斐しく面倒を見てくれたというのが事の顛末だった。
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