攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 ――パァン!

 遠くから、銃声が聞こえてくる。
 どうやらルドルフの魔法だけでは、異形の化け物を倒しきれなかったようだ。

「まだ、戦いは終わってないよ」

 私たちには、こうしてのんびりと話を続けている暇などない。
 そう遠回しに指摘をしたところ、幼馴染は私からゆっくりと手を離す。

 その後、こちらに対する怒りや悲しみなどをぐっと堪え、剣を手に走り出す。

「ぁあああああ!」

 幼馴染はやりきれない思いすべてを異形の化け物へぶつけ、肉片になるまで一心不乱に剣を振るい続けた。

 その姿を目にして、この場にいる誰もが息を呑む。

 守れなかった。
 左足を、失わせてしまった。
 それは全部、自分が弱いからだ。

 そんな思いを込めて彼が武器を振るうたび、真っ黒な血が飛び散る。
 幼馴染は全身に返り血を浴びながら、狂ったように何度も何度もドスドスと剣を突き立てた。

 ――この闘技大会へ出場するきっかけになった、魔物を討伐した日も……。
 こんなふうに我を忘れて、発狂していたのかな……?
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