攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 頭ではわかっているはずなのに、抑えきれぬ感情が自然と言葉に出てしまった。

「殺してやる……!」
「はははは! その憎しみによって、あなたの剣は鋭さを増すはずです。いつか必ず、あなたは私に感謝するでしょう」
「ふざけるな……!」

 司祭はおかしくて堪らないと言わんばかりに笑い声を響かせたあと、こちらに向かって含みのある視線を向けた。

「この神殿を牛耳る司祭になるか、剣を振るう騎士団長となるか……あなたがどのように成長するのか、楽しみですね」

 彼はそう宣言すると、俺たちに背を向けた。

 ――エミリエはぐったりと目を閉じ、力なく腕の中に抱かれている。

 今なら司祭に襲いかかっても、彼女に知られることなく命を奪えるだろう。
 だが、返り血を防ぎ切れなかったら?
 彼女を傷つける敵を片っ端から秘密裏に始末していると知ったら、エミリエは悲しむはずだ。

 ――彼女に嫌われたら、生きていけない。
 エミリエは、俺のすべて。
 世界で一番大切な、愛しい少女だ。
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