攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 ――こいつは、女にだらしないと有名だ。

 エミリエの弱みにつけ込んで、無体を働いたらどうしようかと思っていたが……。
 その様子はなさそうで、少しだけ安堵する。

「なぁ。もしも魔王を討伐し終えたら、オレたちってどうなると思う?」
「元いた場所に、戻る」
「大丈夫なのかよ。あいつは左半分が動かねぇ。そんな状態で、今まで通りの虐待なんざ受けたら……不味いんじゃねぇの」
「俺が、守る」

 俺が警戒を解いたと気づいた彼は、彼女が心配で堪らないと言わんばかりの素振りを見せた。

 ――神殿は、よほどのことがない限り部外者の侵入を禁じられている。
 神職者以外は立ち入ることが許されぬ監獄なのだ。

 こいつがどんなに「力を貸してやる」と手を差し伸べてきたところで、ありがた迷惑でしかない。

「できなかったから、こうなったんだろ」
「なんだと……」

 彼は、こちらの反応が気に食わなかったのだろう。
「そんなこともわからないのか」と言わんばかりに苦言を呈され、カチンときた。

 ――何も知らないくせに。
 俺たちのやることに、口出ししてくるな。
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