攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 憎しみの籠もった目で睨みつけたところ、ガザンは呆れたように肩を竦めてある提案をした。

「ルドルフはエミリエが神殿でどんな目に遭ったかまでは知らねぇが、心配してる。旅が無事に終わったら、王城か、辺境伯か……。どっちかで、暮らさねぇか?」
「王城は、駄目だ」
「なんでだよ」

 エミリエにとって、我が国の王城で暮らすと言うことは、敵の総本山に堂々と身を寄せるということにほかならない。

 母国でいつまで暮らしていたのかまでは定かではないが、エミリエのことを知っている人間がいれば、一環の終わりだ。

 ――この秘密だけは、誰にも明かせない。

 俺は理由も告げずに、頑なに拒否を続けるしかなかった。

「また、だんまりか……。ま、言いたくねぇなら、いいけどよ。あっちには、王太子もいるしな。うちの領地だったら、比較的安全だ」
「辺境伯は、戦争が盛んだろう」
「ん? まーな」
「身体が不自由なエミリエと一緒に暮らすには、ふさわしくない土地だ」
「身内から虐待されるよりは、マシだろうが」

 ああ言えばこう言うのも、いい加減にしてほしい。

 ――年上だからって、いい気になるなよ。
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