攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 そうやって喧嘩を売りたい気持ちをぐっと唇を噛み締めて堪えていると、なぜか訳知り顔で諭されてしまった。

「いいか? 身内ってのはな、めちゃくちゃ面倒なんだ。外部の奴らは片っ端からぶっ潰せばいいが、内部じゃそうはいかねぇ。ただでさえ、身体が思い通りに動かねぇんだ。毎日気の休まらない生活をさせてたら、ぶっ倒れるぞ」
「それが俺たちの、日常だ」
「神殿に、弱みでも握られてんのか?」

 別に、そういうわけではない。
 神殿など、いつでも破壊できる。
 それをしないのは――彼女が、望んでいないからだった。

「いや。握っているのは、こちらのほうだ」
「だったら、なおさら戻る必要なんざねぇだろうが」

 ガザンは何がなんでもこのままエミリエを手元に置きたい。
 俺は彼女を守るため、自分以外の人間を近づけたくない。

 どれほど言葉を交わしたところで、平行線だ。
 時間が無駄に消費されるだけなら、無意味としか言いようがなかった。
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