攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 これから私だけを魔王が誘拐して、移動するのかな?

 阿玉セクシーさんの声は、一生聞き続けていたいけど――。
 彼らと長い間離れるのは、不安だった。

 今の私は、左半分を動かせない。
 三英雄に助けてもらわなければ、1人では脱出すらできぬ足手纏いなのだから。

『う……っ。な、なんだこれは!? 防御魔法だと……!?』

 どうやら魔王は、私がヴィクトリーから奪い取って守護魔法を使えるようになったことを知らなかったらしい。
 防壁は光を使役するため、闇の魔力とは恐らく相性が悪いのだろう。
 そう当たりをつけて、脳内に響き渡る恐れ慄く男の声を堪能していたのだが――。

『貴様の聖なる力は、私の花嫁に選ばれた時点で永遠に、失われたはず……!』

 私の予想は、外れてしまったようだ。
 彼は混乱の最中、本人ですらも知らない情報を口にする。

 ――私が無能聖女と呼ばれるようになったのは、聖なる魔法の適性があるのに、その力を使えなかったあえいだ。

 この男の言い分が正しければ、私は聖なる力を生まれ持っていたけれど、魔王の生贄に選ばれたせいで失われてしまったと言うことになる。
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