攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「わぁ……」

 思わず感嘆の声を上げた直後、最後の仕上げとばかりに三英雄の攻撃が一斉に魔王の急所へ襲いかかる。

 ルドルフの鋭利な氷柱。
 ガザンの弾丸。
 そして、フェドクスの剣術――。

 それらは見事化物の心臓へ命中し、魔王の身体はもがき苦しみながらドロドロと崩れ落ちる。

『く……っ。器が壊れたか……。まぁ、よい……』

 突如悪天候へ変化したのが嘘のように、空は明るくなり――燦々と輝く太陽が私たちを照らし出す。

『一度ならず、二度までも……。三度目は、必ず成功してみせる……!』

 魔王の声は、その言葉を残して聞こえなくなった。

 ――想像していたよりも、かなりあっけない終わりだと感じるのは……。
 やはり、最後に聞こえてきた声に未練のようなものが感じられたからなのだろうか?

 叶うことなら、もっと聞いていたかったな……。

 そう肩を落としていると、前方からドタバタと足音を響かせてこちらへ向かってくる男性に、勢いよく抱きしめられた。

 それが誰かなど、触れ合ったぬくもりから伝わる感覚で、顔を見ずとも認識できる。
< 201 / 235 >

この作品をシェア

pagetop